ついに決めてしまった離婚という選択。


やっと苦しい日々が終わるという安堵感が生まれる一方、やっぱり哀しさも拭えず。


一人になりたいなりたくない。板挟みな感情に戸惑いながら過ごしていました。













離婚を決めたその翌日、夫が帰宅するなり直球で言ってきました。


「ただいま。・・・で、俺はいくら払えばいいの?」


「慰謝料って意味?」


「そう。」


・・・私は、希望の倍近い額を提示しました。
(以前、探偵さんからアドバイスをもらっていたため)


「はあ???そんなの無理でしょ。頼むから勘弁してよ。」


「・・・私を傷付けたと思ってるんでしょ?反省してるんでしょ?」


「いやそれはそうだけどさー。。。大体、何を根拠にこの金額なわけ?」


「・・・慰謝料に内訳なんてないよ。。。けど、あなたが一切家事してこなかった苦労代位は乗せたい気持ち。」


「・・・それは分かるけどさー。。。」


「・・・・・・」


「ねえお願いだから分かってよ。。。俺だって捨てるような気持ちでいる訳じゃないんだから。。。」


「えぇ・・・えええ・・・うーん、そうなんだ。・・・じゃあ、多少下げてもいいかな。」



・・・はい、情に訴えられて簡単に折れました。
(今となれば、この段階でもまだ良い人ぶろうとする自分に腹が立つ)





そうして、結局ほぼ相場に近い金額で話がまとまりまるのでした。というより、まとめられた・・・??


主人を目の前にしてしまうと本当に流されるしダメダメな私です。














「あと、マンションはどうする?できれば売りたいけど、マイナスにしかなんないよね。。。」


「・・・俺が住み続ける。」


「え、、、将来転勤とかあったらどうするの?大丈夫なの??」


「それはその時なんとかする。」


「本当に?ってか自分の地元には戻らないの??」


「うん。こっちの方が住みやすいし、仕事のこともあるから。」


「そう、分かった。でも、私の名義は外して欲しい。」


「それは分かってる。」


「じゃあ、銀行に確認しておくね。」


「うん」
















この後も、少ない財産分与のことなど含めて話し合い、気付くと2時間以上が経っていました。


でも、思ったよりスムーズに取り決めが進みました。


私はそのままネットで一人暮らし先の賃貸物件を検索し、週末には内覧に行くことも決めました。













明確な目的が定まり、すべきことが山積みになると、少し気持ちが前向きになりました。


そして早速翌日から、契約の変更手続きなどできることを少しづつ行っていきました。


その週末には賃貸アパートの内覧に行き、引っ越し先を決めました。


築年数の経った1K、簡易的なミニキッチンには落ち込みましたが、腹を括りました。













この頃、秋刀魚が美味しい季節でした。


この日も夕食に秋刀魚を焼いて食べました。


引っ越し先の賃貸には魚焼きグリルがなかったので、もう秋刀魚が焼けなくなってしまうことが残念でなりませんでした。


秋刀魚ってなんでこんなに美味しいんだろう・・・


私は、最後の秋刀魚を味わいました。