旅行当日、夫は朝から何度も時間を気にして妙にそわそわしている様子でした。
私は、お盆休みだったこともあり夫の旅行中は実家に帰ることにしました。
「旅行、気を付けて行ってきてね。」
「お金ちょうだい」
「いくら?」
「ホテルもまだ決めてないから、最低5万はいる~。」
「・・・はい、お金。んじゃ、わたし実家行くね。」
「ああ、じゃあねー。」(ケータイ画面を見たまま)
そして、充電満タンのGPSをしっかりと夫の車に仕込み、実家へ向かいました。
今日で調査を終わらせる!!もういっそ、決定的証拠が撮れてしまってくれ。
・・・と思う一方で、やっぱり今回こそはと期待しまっている自分もいるのでした。
実家に帰って母の顔を見ると、安心して肩の力が抜けました。
私の好きな銘柄のビールを買い込んでくれていたので、さっそく昼から飲み始めました。
それから妹夫婦も合流して、みんなでお墓参りに行ったり、祖母の家へ行ったりしました。
ああ、なんて平和なお盆休みなんだろう・・・
調査なんて夢なのかな?と思うくらい平穏な気持ちでした。
しかし、ふとGPSの移動開始を通知するメールが届きました。
全身に緊張が走り、あぶら汗が滲みます。
そして、震える指で恐る恐るGPSの検索ボタンをタップ
夫はどこに向かっているんだろう・・・?
不安と期待が入り混じります。
・・・
・・・
祈る思いでGPSの行く先を追っていると、悲しい哉、向かう先は彼女の家の方角なのでした。
そうして、当たり前のように彼女のマンションの1Fにあるコンビニ駐車場で車が停まりました。
一瞬で現実に引き戻され、愕然としました。
ああ、やっぱりだめだったか・・・・
目の前が真っ暗になるという表現がありますが、本当に一瞬サッと視界が真っ暗になりました。
そして、胸が痛いという表現もありますが、この時本当に心臓が締め付けられるようにえぐい痛みを感じました。
間もなく、探偵さんから着信が入ります。
「先ほど、女性の部屋へ入るご主人の姿を捉えました。」
「念のため、他の同僚などが合流する可能性もあるのでこのまま様子見ます。」
「もし、このまま二人で高速道路に乗ったら追いかけますが、いいですか?」
「はい、構いません。宜しくお願いします。」
「了解しました。では失礼します。」
そうして、抜け殻状態と化した私はただひたすらベッドの上でうなだれていました。
1時間くらいして、再び電話が鳴ります。
「今、高速乗りました。残念ですが、ご主人と女性の二人っきりです。」
「そうですか。。。分かりました。では、そのまま宜しくお願いします。」
「了解しました。では失礼します。」
・・・私は、無心で冷蔵庫へ向かいストロングチューハイを取り出しました。
それからの丸2日間、私は一睡もできずにGPSを追い続けました。
たまに入る探偵さんからの連絡にびくびくしながら、ただただ時間が過ぎるのを待ちました。
もう、生きた心地がしませんでした。
今まで経験したことのない辛く苦しい2日間でした。
探偵さんから最後の報告を受けて、とりあえず調査が終了となりました。
私は、汗とあぶらでぐちゃぐちゃでした。
はあ、、、疲れた。。。
長い緊張がゆるみ、一気に疲労感と睡魔が襲ってきました。