引越し先のアパートには思いのほかすぐに慣れました。


都心部に近く、便利な立地であったため買い物がてらよく散策をしていました。


通勤も電車一本で通える場所になり、朝の余裕ができるようにもなりました。


そうして、キッチンが狭いこと以外はほとんど不便のない生活を送れるようになりました。










ふと、夫は今どう思っているのだろうか。掃除や洗濯などちゃんとできているのだろうか。まともな食事を食べているのだろうか。もしかして、おくずちゃんと同棲なんて始めていたりして・・・。


この頃は無駄に色々な事を考え、不安に陥ることがよくありました。


でも、グズグズばかりしていられない。これから離婚に向けて具体的に動いていかなくちゃ。


私は、後々のトラブルを避けるためにも一度弁護士の先生に話を聞いてみたいと思っていました。


もちろん弁護士のツテなんてないので、ネット検索でなんとなく良さそうな法律事務所を見つけて相談に行ってみることにしました。


予約日までの一週間の間に、ノートに聞きたいことや確認したいことを全て書き出し、探偵からの資料を揃え万全の準備をしておきました。


というのも、法律相談が30分5,000円だったのです。相談するだけで??高っ!と思ったけどそれ位が相場のようでした。


1分たりとも時間を無駄にできない、そんな思いでノートにまとめていきました。












そして迎えた当日。


緊張しながら法律事務所のインターフォンを押します。予約していた旨を伝えると、奥の部屋へと通されます。


しばらくして、弁護士の先生が入ってきました。
想像していたよりも若い、いかにも裕福な家庭で育ちましたというようなお坊っちゃん先生。


なんとなく、この人で大丈夫だろうかと一抹の不安がよぎった気がした。でも、ここまで来たらもう後へは引き返せない。


挨拶を手短に済ませ、早速相談へと移る。


私は、今まで起きた出来事をなるべく簡潔に説明し、現在は離婚で合意していること、夫への慰謝料の額や財産分与についても話がまとまっていること、マンションには夫が住み続けること、おくずちゃんへも慰謝料請求したいことを伝えました。


私が話している間、相槌を打ちながら静かに話を聞いてくれていた先生が口を開きます。


「・・・状況は分かりました。まず、対旦那さんですが、すでに離婚で合意していてお金に関する取り決めが済んでいるのでしたらその内容を文書にすることをおすすめします。その方が後々トラブルになりにくいです。文書はご自分で作成でも良いですし、こちらで作成することも可能です。」


メモを取りながら頷く私。


「ちなみに、現在別居中とのことですが婚姻費用は受け取っていますか?」


「えっ、婚姻費用?って何ですか?」


「生活費のことです。別居中でも受け取る権利があるので、交渉してみてください。」


「そんな事できたんですね。。ちなみにいくらくらい貰えるんですか?」


「夫婦の年収や家族構成によって変わるのですが・・・」
そう言って、婚姻費用の早見表を見せてもらった。私達の場合だと月5万円前後が相場のようだった。


「わかりました、ありがとうございます!」


「次に、マンションに関しては早めに銀行に連絡をして現在の住宅ローンから奥様の連帯債務を外してもらうよう相談して下さい。」


「はい、分かりました。」


「籍を抜くタイミングも、住宅ローンの件が片付いてからが良いと思います。先に籍を抜いてしまうと、もし相手がローンを払わなかった場合に債務者として責任を負うことになりますので危険です。」


「確かに、、そうですね。」


「最後に、対相手方に関してですが、慰謝料請求をするとなった場合は私が間に入り相手方とのやり取りをしていくようになります。正直、旦那さんからの慰謝料の額を考えるとほとんど相手側からは取れないかもしれません。ただ、証拠は揃っているので簡単に言い逃れもできない状況かとは思いますが。」


「・・・そうですか。」


「仮に、もし慰謝料請求されたとなれば相手方も弁護士を付けるでしょうから、そうなれば多少なりお金と労力を使わせることになります。そのような理由から金額を期待できなくても慰謝料請求される依頼者様もいます。」


「はあ・・そうなんですね。」


「その場合、着手金としてまず20万円がかかってきます。これは、慰謝料がもらえるもらえない関わらず必要となる金額です。更に、慰謝料が貰えた場合は金額に応じた成功報酬を頂きます。その他に、書類作成など必要であればそちらも別途費用を頂くことになります。」


「・・・わかりました。」


「協議書の件も含め、一度よくお考え頂ければと思います。」


「・・はい。」


その他にも、合間合間にノートにまとめた細かい質問などを聞いていたらあっという間に1時間が経とうとしていました。


先生にお礼を言って、事務所を後にします。










・・・予想はしていたけど、弁護士費用って高いんだな。着手金だけで20万もかかるんだ。でも、探偵費用に比べればまだマシか~。

(この時の自分は完全に金銭感覚が麻痺していました。お金よりも、自分の心を満たすことに必死でした。)


さて、どうしよう。


・・・いや、もう答えは決まっているんじゃないか。


たとえ慰謝料が取れなかったとしてもいい。旦那に何と言われてももう知ったこっちゃない。



私は、自分で納得できるようにする・・・!!!!


やっぱ、慰謝料請求する!!!!!!