法律事務所を出ると、不安と緊張が解けて気持ちがふっと軽くなった。
よし、あとは住宅ローンの名義を外してしまえば離婚できるんだ!意外とあっさりだな。
そんなことを考えながら、早速銀行に電話をした。
『◯◯銀行ローンセンターです。』
「夫婦で共有している住宅ローンから自分を抜きたいのですが可能でしょうか?」
諸情報を伝え、確認してもらうこと数分。
『お待たせ致しました。今回、離婚に伴い奥様の名義を抜きたいとのことで宜しいでしょうか?』
「そうです。」
『かしこまりました。では、今後債務者となるご主人様にご連絡させて頂きますが宜しいでしょうか?』
「はい、わかりました。あと、日数って大体どれぐらいかかりそうですか?」
『お客様の状況によっても異なるので一概には言えません。』
「・・そうですよね、分かりました。」
担当者の人は淡々とした口調の中年男性で、少し無機質な印象だった。
でも、今回の件も淡々と処理を進めてくれるんだろうな。
もう、離婚は目前だなあ。
・・この時はそう思っていた。
そして、夫へ婚姻費用の請求をする。
「離婚成立までの間、生活費(婚姻費用)として月5万を下さい。」
『は?それは慰謝料の前払いってこと?』
「いや、婚姻費用はあくまで生活費で、慰謝料とは別だよ。」
『むちゃくちゃ言うなよ!無理。』
「婚姻費用は法的に認められている制度だよ。金額も5万が妥当です。」
『むり』
『むり』
『そんな制度があると知ってたら別居なんて認めなかったわ。』
「婚姻費用の件は私も最近知った。」
『・・それって離婚するまでなんでしょ?じゃあさっさとハンコ押してよ!!』
「住宅ローンの件が片付くまでは離婚できません。」
『住宅ローンの件は大丈夫だから。絶対に大丈夫だって!』
「万が一トラブルがあったら嫌なので、住宅ローンが先決です。」
『・・払えない。無理!!』
「月末まででいいのでなんとかお願いします。」
ー2週間後ー
「再度だけど、生活費の件お願いします。」
『・・払ってあげたいけど、俺もローンとかあって生活キツいから金額下げて欲しい。』
「わかりました。じゃあ3万でいいです。」
『了解。月末には振込む。』
こうして、ごねながらも最終的には金額を下げることで合意し婚姻費用を払ってくれた夫。
確かに向こうからしたら突然言われても??って感じだったと思うけど、貰えるものは貰っておきたかった。こういう制度があることを教えてくれた弁護士の先生には感謝です。